がん光免疫療法とは
がん光免疫療法は2ステップの治療に分かれます。まず、光照射を行う前日にがん組織に選択的に集積する光感受性物質を点滴で投与します。その翌日に、がん組織に対して体表から近赤外線を照射。光エネルギーによる化学反応で生じた活性酸素により、がん細胞を死に至らしめます。
がん組織は血管壁が大きいのに対して、正常細胞の血管壁は小さいという特性の違いを利用して、がん組織のみに集積するような加工を行なった(EPR効果を利用した)光感受性物質を投与することで、副作用のほとんどない治療を行うことが可能になりました。
がん光免疫療法は一部にしか効かないのか?
がん光免疫療法は、光照射した部位にしか効果がないのか?とよく効かれます。実はそうではありません。私たちの免疫細胞はがん組織が壊れるときに放出されるがん抗原という目印を認識します。そして、そのがん抗原を持っている他の組織、つまりがん組織にも攻撃を開始するのです。そのため、一部のがん組織が壊れることで、がん全体への攻撃が開始されることになります。これをアブスコパル効果と呼びます。
光免疫療法は標準治療(手術、抗がん剤、放射線など)と併用することで相乗効果が得られます。また、私たちのクリニックでは、がん光免疫療法に加えて、低用量抗がん剤治療、免疫チェックポイント阻害薬、水素ガス吸入などを合わせて投与することで、効果が高まると考えて治療を行なっております。詳しくは、診察時にお話しさせて頂きます。
副作用はありますか?
ICGを点滴する際に稀に皮下血腫、神経損傷などの合併症の可能性があります。また、治療後に悪寒戦慄などが発生する可能性があります。
光感受性物質の点滴や光照射の時間はどのくらいかかりますか?
光感受性物質の点滴や光照射はそれぞれ約30分間程度です。前後の診察や準備の時間を考慮すると1時間〜1時間30分程度が必要です。
がん光免疫療法(1ヶ所)
275,000円(税込)
がん光免疫療法(2ヶ所)
330,000円(税込)