ヨウ素療法とは
ヨウ素は経口や点滴で体内に吸収されると、甲状腺以外の組織は吸収されず数時間で腎臓からほとんどすべて尿に排泄されます。例外としてガン組織などの酸性・酸化状態の組織ではヨウ素は良く吸収されガン細胞を殺します。また、炎症のある患部でもガン組織よりわずかですがヨウ素が同様に吸収され抗炎症の効果（ヨウ素が低濃度の場合）を発揮します。
ヨウ素の抗ガン作用の特徴は、髪の毛が抜けるような体を痛める副作用の化学療法抗ガン剤とは全く違っており、体に優しい抗ガン剤です。私たちのクリニックでは、刺激性の少なくしたヨウ素製剤（コロイドヨード）を使用しています。コロイドヨードは化学療法抗ガン剤と併用可能で、併用することで相乗効果が得られることもあります。
ヨウ素療法を受ける際の注意点
ヨウ素療法はヨードチンキやうがい薬などで使われるように、殺菌と抗炎症作用をもつ元素です。がんに対する作用としては、日本では統合医療のクリニックでしか使用されていませんが、海外では注目されている治療法です。またコロイドヨードは、製造するクリニックによって品質の差が大きいため、専門医師の推奨する品質の保証されたものをお使いください。
免疫細胞療法の多くは、血液がんは対象から外れていることが多いですが、ヨウ素療法は血液がんを含めたほとんどのがんが対象疾患となっております。しかし、コントロールされていない甲状腺機能亢進症（バゼドウ病）の方はヨウ素療法を行うことができません。またヨウ素療法は低用量抗がん剤や高濃度ビタミンC点滴との相性がよく、併用して使うことが多いです。
副作用はありますか？
ヨウ素療法自体で副作用があることはほとんどありません。一方でヨウ素療法に伴う作用として、以下の点が挙げられます。①発熱、体温上昇：0.5～1℃上昇します。②皮膚の発疹：排毒反応の1種と考えています。③病巣や転移リンパ節の痛み：がんが死滅してくると痛みがでます。④腫瘍が融解を起こせば一時的な主要マーカーの急上昇がみられる場合があります。
ヨウ素の点滴治療はどのように行いますか？
ヨウ素の点滴治療は１クール１０回の点滴を行います。その方の通院できる状況に応じて、点滴頻度を調整いたします。週２回を定期的に行う方や、１０日間連日投与（５日間２週間）される方もいらっしゃいます。
ヨウ素の内服はどのように服用すれば良いでしょうか？
ヨウ素は大体２時間で尿から排泄されるため蓄積性がありません。そのためがん治療では２時間毎に１回２０mlで、１日７〜８回の服用が必要になります。頻回に服用できない場合には、１回３０〜５０mlで１日３〜４回に分けて服用する方もいらっしゃいます。
ヨウ素の内服と点滴はどのように使い分ければ良いでしょうか？
がんの状態と勢いによります。勢いが強い場合には、点滴を行い、効果があれば内服に切り替えて維持を行う方法や、点滴を継続する方法があります。また、勢いが緩やかな場合には内服を継続する場合もあります。
ヨウ素点滴１クール（１０回）
2,200,000円（税込）
ヨウ素点滴０.５クール（５回）
1,200,000円（税込）
内服500ml 2本
99,000円（税込）
