免疫チェックポイント阻害薬とは
私たちの体内の免疫細胞は、ある特定の状況になると、がん細胞に攻撃できません。それは、がん細胞が免疫細胞の監視網を潜り抜けるために開発した方法です。具体的には、がん細胞は免疫細胞の代表格であるT細胞に「私は正常細胞です」というシグナルを送ることで、免疫細胞に捕獲されることから逃れています(PD-L1の発現)。
免疫チェックポイント阻害薬では、「私は正常細胞です」というシグナルをブロックすることで、がん細胞をがん細胞として認識し、もともと持っている免疫細胞が攻撃することを復活させるための薬です。当院では、オプジーボ、ヤーボイという2つの免疫チェックポイント阻害薬を用いた治療を行なっています。
免疫チェックポイント阻害薬はどんな治療ですか?
オプジーボやヤーボイなどの免疫チェックポイント阻害薬は標準治療においても使われている薬です。当院では、少量の免疫チェックポイント阻害薬を用いた治療を行なっています。普通量ではなく少量で投与する目的は2つです。①少量で使用することで副作用を少なくすることができる②少量で投与しても、効果は落ちないと予測される(頭頚部癌に対して低用量オプジーボの効果を認めた論文あり)。
免疫チェックポイント阻害薬は、2−4週に1度点滴投与を行います。1回の治療時間は約1時間程度となります。副作用としては、一般的な抗がん剤と異なり、吐き気や脱毛などは起こりづらい代わりに、間質性肺炎、甲状腺疾患、代謝・内分泌疾患などの免疫に関わる副作用が出ることがあります。私たちのクリニックでは定期的な採血により、これらの副作用をモニタリングしていきます。
免疫チェックポイント阻害薬だけで効果はありますか?
免疫チェックポイント阻害薬だけでも一定の効果は認められます。しかし、水素ガス吸入や低用量抗がん剤と組み合わせることで、本来の免疫力をより引き出すことで、治療効果を高めることができます。
オプジーボ
250,000円(税込)
ヤーボイ
250,000円(税込)